予感する喪失は

予感する喪失は
それまでが甘美だろ?
予感に悲しみ涙する
そんな自分に酔う
鏡を見ろよ悦に入る瞳の奥 汚い炎が滲み出ている

喪失しろ
喪失しろ
喪失しろ
喪失しろ

下種な酔いは見世物小屋の乞食と同等
喪失する前に失えば 暗い炎も盛らぬものを

喪失しろ
喪失しろ
喪失しろ
喪失しろ
建前も大義も論理も常識も
ただ気持ちよいまま黒く燃え死ね

プレゼント

畳の染み
腐った液
蝉の声
見開いた目

ビニール紐
酸の強い排泄物
サイレンの音
飛び出た眼球


衰え
剥離
純粋に近づく

孤独に 絶望に 理不尽に 殺される
死は自死ですら自ら選び取ったものではない

何かしらをプレゼントされ
選ばざるを得なかった 諦めでしかない結論
その差は その瞬間に焼き付く風景のみなのか

猫と豚とアレルギー と畜

猫撫で声の豚の
猫撫で声の豚を
切れ味の悪い鋸でバラす

奇怪に踊る 架空の都市にいる家畜
ペニスが増殖するアレは アレルギーによって味わいを深める
黄色い膿と白い真髄
拒絶反応 苦い絶頂と受粉 伐採する大木を擦る手
若葉は例外なく皆摘む

猫撫で声の豚を 鋸でバラして絶頂するアレは
アレルギーによって全て例外なき死を貴様に与える

傷は消えないよ 笑っているよ

傷は消えないよ 笑っているよ
へらへらと ぷぎぶきと
時折昔を思い出して 神経の引き攣れを起こしながら
発作的に笑うのさ
泡立つように 電気で服従させるように

君→君につけた傷を 笑っているよ
薄っすらと ぎさきざと
青春の振り返りと共に 暖かく笑む君に
傷跡は笑っているよ
消えないよ 消えないよ
皮膚の引き攣れとして 癒着した手首の歪みとして

泡立つように 時折掻き毟りたくなるように

貫通するサイコ

サイコをきめて踊りましょう
被害妄想と衝動が脊髄を駆け巡る
サイコをきめて犯りましょう
錆びたナイフで乳房をいたぶる
肋骨の隙間を目指して進むシンボル

サイコを きめて 踊って 笑う
髪を 乱した 頭が座っていない 無垢な笑顔の
どうにかなっている時が一番かわいい貴男

サイコでいかれたシンボルを どうか
肋骨の隙間を目指して 進めて

通学路近くの国道で

限界を超えていく 崩れていく身体
自己犠牲で差し出した手を
なかったことにはできない

一瞬のはずの永遠 後悔するには長すぎる

君を救った僕のように
僕を救う誰かはいない

体から魂がベリベリと剥がされる感覚
一瞬のはずの永遠 この音は酷すぎる

骨も血管も筋繊維も胃も肺も
自分の感覚から乖離していく

自分がそこにいたイメージだけを残して
君の代わりにトラックにはねられる僕

君の自殺願望を満たすために 代わりに死ぬ僕は
半笑いで暗い目をした君を見ていた眼球に置き去られ